5月の中旬になって、急に暑くなりましたね。わたしは、たまらずエアコンで冷房をかけました。室温32度なんて、耐え切れなかったんです…
冷房を使ったら、エアコンを本格的に洗浄をしようと計画していたので実行しました。工程をまとめます。
まず、エアコンはこちら。HITACHI RAS-E36S というモデルです。もう15年くらいに前に買った古いエアコンなんですが、コレ。
カビが生えて、すごい臭いになっちゃってるんです!
ということで、プロレベルの洗浄をしてみます!
まず、注意事項を先に!
注意
- 作業は自己責任でお願いします!
- コンセントを抜き、感電しないようにして行いましょう!
- 水・洗浄液が電気部品にかかると、感電・故障の原因となります。
しっかり養生し、電気部品にかからないよう注意して作業をしましょう! - 刺激の強い洗浄液は目や手肌を傷めます。
マスク・ゴーグル・ゴム手袋・長袖の上着など、体を保護してください! - 洗浄液が付着したままでは機器を腐食します。
故障の原因となりますので、よく洗い流しましょう! - 洗浄剤は強アルカリ性です。そのまま排水してはいけません。
中和剤で中性にしてから排水しましょう!
道具
そろえた道具は以下です。説明が多いので、軽く読んでみたい方は飛ばしてください! [クリックで一気にジャンプ!]
蓄圧式噴霧器
今回の主役、蓄圧式 噴霧器です。洗浄剤を入れて噴霧したり、水を入れて洗い流したりするのに使用します。結構お値段がするんじゃないかと思っていたら、意外とお安いんですよ。千何百円で売ってます。
中に液剤を入れて、上部にある取っ手を上下させ内部の圧力を上げます。プシューッと安全弁から余剰圧力が排出されたら準備完了、トリガーを引くと噴霧されます。ノズル先を回すことで、霧状・直射を調整することができます。
アルミフィンクリーナー エアコン洗浄プロ505
プロ向け業務用レベルの強力な洗浄剤です。10倍~20倍に希釈して使用します。強アルカリ性で、こびり付いた汚れがみるみる浮いてきます。強い液剤なので、身体にかかると炎症を起こします。マスク・ゴーグル、手袋、長袖の上着を装着して完全防御します。
リンス処理 エアコン洗浄プロ404
エアコン洗浄プロ505を水で洗い流した後、10倍~20倍に希釈して噴霧します。残っている洗浄剤を中和し、リンス処理で汚れの付着を防ぎます。
中和剤 エアコン洗浄プロ303
洗浄して汚れた廃液は下水基準以上の強アルカリ性です。そのまま流すと違反となります。容器で受け取り、中和剤で中性にしてから流します。
おすすめ
エアコン洗浄プロ はセット売りもあります。全部揃えるならこちらも要チェックです!
塩素系洗剤
外装カバーやフラップの洗浄、エアコン内部の筒状のファンの洗浄に使います。洗剤が残っていると部品を傷めるので、綺麗に洗い流します。
マスカーテープ
養生テープに保護フィルムが繋がっています。貼り付けてから保護フィルムを広げます。エアコンの電気部品の箇所は重点的に。周囲に洗浄剤・水がかからないよう養生をします。
養生テープ
適度な粘着具合で、貼り付けたあとに剥がしやすいテープです。マスカーテープのフィルムを固定したり、排水受け止めバケツまでの固定など養生の補助に使用します。貼り付ける対象が破れたり剥がれたりしないか、様子をみて使用します。
ブルーシート
エアコン真下の床に敷いて、液剤・水を受け止めます。強い液剤を使用するので、浸透しないよう厚い目のものを選びました。結果、ブルーシートなのに銀色です。
ロングブラシ
洗浄剤を吹き付けた後、ブラシでこすります。このブラシは先端にもブラシがついていて、先が当たってキズが付きにくいものを選びました。エアコンのアルミフィン部分は柔らかいので、ヘタにこすって曲がらないよう気を付けます。メインの用途としては、中にある筒状のファンのカビ汚れを落とすのに役立ちます。
ドレンつまり取りポンプ
エアコンの熱交換器に結露した水を外に流す「ドレンホース」が詰まっている場合があります。洗浄して水が溢れてくるようであれば、室外機側でポンプを使って吸い出します。ホコリやカビ、死んだ虫が詰まっていたりします。
pH試験紙
廃液に中和剤を混ぜ、中性になったかどうか調べます。パッケージの見本と比べて判断します。黄色になったら中性です。
脚立
アルミ製3段の脚立です。エアコンに手を伸ばすには、このくらいの高さの物が便利です。
ゴーグル
汚水、液剤が目に入らないよう、ゴーグルを装着して作業するのをオススメします。
防毒マスク
液剤、カビ臭を防ぐために防毒マスクの着用をオススメします。こちらは私が使用しているもので少し高価なのですが、もう少し安価な製品でもよいです。L、M、S のサイズがあります。大きさの合うものを選びましょう。
吸収缶
防毒マスクに装着する吸収缶(フィルター)です。こちらは私が使用している防毒マスクに合う型番です。マスクに合う対防毒性の吸収缶を選びましょう。
手袋
液剤は強いアルカリ性で、肌に触れると炎症を起こします。必ず、耐水性、耐アルカリ性のある手袋を装着して作業をしましょう。
ひと休み
一気に説明長すぎですね。この時点で疲れますよね。必要なものは「自分もぜひやってみよう!」と思ったら確認してください!
準備
まず、真っ先にやること!エアコンのコンセントを抜きます。感電しないように!これ、忘れがちです!
エアコンの下をブルーシートなどで養生します。洗浄剤が落ちると、床面を傷めてしまいます。
洗浄した廃液が流れ出ないよう、室外機にあるドレンホースにタライなどで受けるようにします。
作業の流れ
いよいよ作業にとりかかります!
カバー、フラップ、フィルタを外します。無理に外すと破損する場合があります。開け方は取り扱い説明書に書いてあるので、確認します。
外装カバーをドライバーで外します。ネジ4本くらいで止まっていて、上部数カ所のツメを引くと外れるものが多いです。
この機種は前面にインジケーターとセンサーの電気部品があります。取り外したいところなのですが、細かくて難しいので外装カバーをつけ、洗浄剤・水が入らないように養生して洗浄を行います。取り扱い説明書に、洗浄時どうするか書いてある場合があるので確認します。
カバーを取り付ける前に洗浄します。部品が大きいので風呂場で行いました。洗剤はカビを除去するために塩素系のものを使います。
養生
周りを汚さないように、しっかり養生をしましょう!
カバーを取り付けます。下から合わせて、上をはめ込むとやりやすいです。今回はインジケーター・センサーを守るために洗浄の前に取り付けましたが、普通は洗浄後に取り付けます。
エアコンにマスカーテープを巻き付けて周りを養生します。この時は左下から巻いて失敗しました。マスカーテープは真上から巻いていく方がよいです。そうしないと、巻き始めと巻き終わりの合わせ目から液剤・水が漏れてしまうんです。
電気部品は特に用心して養生します。タオルを一緒に巻いて、万が一、液剤・水が浸入しても吸収するようにします。
マスカーテープの保護フィルムを広げて天井や壁に固定します。貼り付ける箇所が破れたり剥がれたりしないか気を付けます。養生テープを併用して、水漏れしそうな隙間、つなぎ目を補強します。
廃液を流すために、下へ保護フィルムを継ぎ足します。水漏れしないよう、裏側から止めます。
さらにマスカーテープを継ぎ足して、保護フィルムを筒状にします。床にバケツなどを置いて排水を受け止めるようにします。
洗浄の準備
洗浄剤、希釈の用意をします!
強力な洗浄剤なので、付着しても捨てられるようペットボトルを計量カップの代用にします。切って口を広げ、100mlの水を入れて水面の所に線を引きました。
エアコン洗浄プロ505 を100ml計って、蓄圧式噴霧器に注ぎます。
次に水を約1L入れました。希釈は10倍~20倍とあったので、大体でやりました。洗浄剤100mlの10倍希釈だと正確には900ml入れることになります。
噴霧器のポンプを上下させます。最初は軽いのですが、中盤からは、なかなかの重さになります。赤い安全弁からプシューッと空気が漏れたら、満重圧です。
洗浄
いよいよ洗浄です!
エアコンのアルミフィン・筒状のファン、内部に噴霧します。噴霧をしたら、汚れが浮くまで10分ほど待ちます。
廃液はこんな感じ。黒い細かなカスがありますね。
汚れが酷いので、もう1回噴霧しました。
汚れが浮くよう、また10分待ったあと、付着している洗浄剤を水で洗い流します。
2回の洗浄で出た廃液はこんなに黒くなりました。
仕上げ
仕上げ作業をしていきます!
エアコン洗浄プロ404 を希釈します。同じく100ml計って、水を約1Lで希釈しました。
全体に噴霧します。リンス効果で汚れを防ぎます。
したたり落ちるのが収まったら、養生を外します。
軽く水気を拭き取ります。アルミフィンに触れると曲がるので気を付けます。
フィルターと外装カバーを取り付けます。
コンセントを挿し、エアコンを作動させます。最初は吹き出し口からしぶきが飛び散るので、タオルで抑さえます。エアコンのモードを暖房にし、風力を最大にして1時間運転し、内部を乾燥させます。
1時間後
さて、1時間たって、どうなったか…
まだカビ臭い。
ファンの所のカビが全然取れていません。エアコン洗浄プロ505はアルミフィンにはよく効くようですが、プラスチック製のファンにはあまり効かないようです。
やり直し
あきらめません!やり直します!
ファンをもう一度洗浄し直します。今回はファンの所だけなので、エアコンの下側だけ養生しました。洗浄剤はカビキラーを使います
ファンをくるくる回してブラシで全体ををこすります。長いので奥の方まで届きます
カビキラーを洗い流します。残っていると部品が傷むので、念入りに洗浄します
廃液はこんな感じでした。薄茶色ですね。
外装カバー、フィン、フィルターを取り付けてエアコンのコンセントを挿し、暖房・風力最大で1時間運転します。最初は吹き出し口からしぶきが飛び散るのでタオルで抑えます。
1時間後
さて、今度こそどうなったか…
臭わなくなりました!
中もこんなに綺麗になりました!
後処理
まだ、終わりではありませんよ!
廃液の処理をしなくては流せません。
室内で出た廃液と外で受けた廃液を混ぜます。
エアコン洗浄プロ303 で廃液を中和します。エアコン洗浄プロ505(1㎏)に対し、中和剤(440g)の比率で混ぜます。今回、100mlで2回洗浄して200ml使用したので、88gですね。洗浄剤と汚れとの反応具合で中和する量が変わるので、様子を見て少しずつ混ぜるとよいです。
はい、中性の黄色になりました。めでたく中和できました!
これで廃液を流すことができます。
まとめ
エアコン洗浄は、大掛かりで大変な作業になるのを覚悟して行ったのですが、意外にもあっけないものでした。蓄圧式噴霧器を使えば大きな物音をたてませんし、朝から始めたらお昼くらいまでには、乾燥のための暖房1時間運転ができるんじゃないでしょうか。
マスカーテープを使っての養生が難しそうであれば、こんな商品もあります。
養生テープの併用が必要なので、注意してください!
これら道具を揃えても、清掃業者に1回頼むのとそんなに変わらない費用で済みます。洗浄剤は複数台、10回くらいは使えますので、コスパは高いですよ。
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この記事は、動画と連携しています。どのようにしているのか?動画の方が分かりやすい部分もあるので、よろしければ記事と合わせてご覧ください。
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以上、エアコン プロレベルの洗浄でした!